楽田の住宅
地域の人となるための10年計画地は大縣神社の参詣道添いで古くから隣のつながりが強い地域です。周囲の家々には門があり生垣と塀に囲われ閉じて計画されています。地域に縁もゆかりもない建築主の家族は、この土地の借家に10年間住み、少しずつ信頼関係を築き、交渉してこの土地を購入し住宅を建設しました。内と外とのつながりを持たせたい、ひいては地域のつながりまで意識して計画しました。 こどもたちとの10年さらにその先へこどもと過ごす時間はあと10年ほどです。こどもたちと一緒に暮らしているあいだは家族の壁はできるだけ無くしたい。でも居場所は分かるし気配も感じる家にしたい。そしてこどもたちが巣立てば夫婦二人の生活になります。そのときには平屋としてゆっくり暮らしたい。こどもたちとの10年と、さらにその先の生活を考えて計画しました。 生成りの家当たり前に使っているクロス、塗装、壁や天井、巾木は本当に必要?ビスの頭が見える、ボードの隙間が隠れない、配線が見えてしまう…などなど、仕上をしないと失敗も裏側も見えてきます。それでも良いのです。素材は素地で使用しました。素材の色そのまま。装飾された「きれいな家」ではなく、ガシガシ使う生活感のある『生成りの家』です。住みながら手を入れ、作り、木を植え、育て続ける「持続可能な住宅」をめざしました。 やってみたい!使ってみたい!「テントのような 間仕切」できれば家の中に壁を作りたくない。でも視線は遮りたい。光・音・空気・におい・気配を透過しつつも緩いプライバシーも。和紙のように淡く光り緩やかに遮る。タイベックシートによるテント間仕切りでそれを実現しました。前例が無いためテント制作会社では不可能。そんな時、「ソトであそぶこと ソトですごすこと」が得意な友人 Akiyoshi Architects Mountaineering が素材の提案から施工まで協力してくれました。 2020 Tololo studio 2020 Tololo studio 2020 Tololo studio 2020 Tololo